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静電気試験機

静電気試験機とは

静電気試験機とは、人体や物体に帯電した静電気(ESD:ElectroStatic Discharge)が電子機器に放電した際の影響を模擬し、電子機器の耐性を評価するための試験装置です。
簡単に言えば、「パチッ」とくる静電気の衝撃で、スマホやPCなどの電子機器が誤動作したり、壊れたりしないかをチェックする機械です。

静電気試験機の主な用途

静電気試験機の主な用途は以下になります。

・製品開発・設計段階
試作品の静電気耐性を確認し、対策部品の選定や回路・筐体設計の改善を行う。
・EMC(電磁両立性)試験
製品が市場に出る前に、国際的なノイズ耐性規格(イミュニティ)を満たしていることを証明する。
・品質管理
製造された製品の品質が一定レベルにあることを確認する。


■静電気試験機の種類

静電気試験機(ESDシミュレータ)の種類は、主に試験対象と放電方法によって分類されます。

1. 試験対象による分類(放電モデル)
これは、「何が」「どうやって」帯電して放電する現象を模擬しているかによる分類です。
主にICなどの部品レベルの試験と、機器全体(システム)レベルの試験に分けられます。

A. デバイスレベル試験(部品)
ICや半導体部品自体が静電気で破壊されないかを評価します。

人体モデル(HBM:Human Body Model)
・模擬現象: 人体に帯電した静電気が指先などを通じて部品の端子に放電する現象。
・回路定数: 100pF(コンデンサ)と1.5kΩ
(抵抗)が一般的。(規格:JEDEC JESD22-A114など)
・特徴: 最も一般的なESDモデルで、部品の保管・製造時の取り扱いによる耐性を評価します。

デバイス帯電モデル(CDM:Charged Device Model)
・模擬現象: 部品(ICなど)自体が摩擦などで帯電し、それが金属に触れた際にデバイスのリード端子からグランドへ放電する現象。
・特徴: HBMよりもパルス幅が短く、電流が局所的で大きいため、ICの生産工程での静電気破壊の評価に重要です。

マシンモデル(MM:Machine Model)
・模擬現象: 金属製の工具や自動組立機などの導体に蓄積された静電気が部品に放電する現象。
・回路定数: 200pF(コンデンサ)と0Ω(抵抗)が一般的。(規格:IEC 61340-3-2など)
・特徴: HBMに比べて低抵抗・大電流で、現在はCDM試験に置き換えられつつあります。

B. システムレベル試験(機器全体)
完成した電子機器が、使用中に人体などから静電気を受けた際の誤動作や破壊を評価します。

IEC 61000-4-2準拠試験
・模擬現象: ユーザーが操作パネルや筐体に触れた際に発生する静電気放電。
・回路定数: 150pF(コンデンサ)と330Ω(抵抗)が一般的。
・特徴: EMC(電磁両立性)規格の一部であり、電子機器が国際規格に適合しているかを証明するための最も重要な試験です。

2. 放電方法による分類
これは、IEC 61000-4-2などのシステムレベル試験を行う際の、静電気を印加する実際の操作方法による分類です。

1. 直接放電(Direct Discharge)
供試体(EUT)に直接静電気を印加する試験です。

接触放電(Contact Discharge)
・方法: 放電ガンをEUTの金属部分(導体)に接触させた状態でトリガーを引き放電させます。
・特徴: 火花の発生にばらつきがなく、最も再現性が高いため、規格試験で推奨される主要な方法です。

気中放電(Air Discharge)
・方法: 放電ガンをEUTの絶縁体(プラスチック筐体など)に向けて、徐々に近づけ、空隙を介して火花放電(スパーク)を発生させます。
・特徴: 実際の使用環境に近い現象を模擬しますが、湿度などの環境要因で放電電圧にばらつきが生じやすいです。

2. 間接放電(Indirect Discharge)
EUTそのものではなく、EUTの周辺の物体に放電することで影響を模擬する試験です。

水平結合板(HCP)/ 垂直結合板(VCP)
・方法: EUTが置かれている台や、EUTの側面近くに設置された金属板(結合板)に放電ガンを接触放電させ、金属板からEUTへ誘導されるノイズの影響を評価します。
・特徴: 間接的な放電によるノイズ(電磁界)への耐性を確認します。


■静電気試験機の代表的なメーカー

ノイズ研究所、菊水など。


■静電気試験機の価格

システムレベル試験機 (ESDシミュレータ)…100万円 ~ 500万円以上
静電気測定器 (チェッカー・モニタ)…数万円 ~ 30万円程度


■商品リスト

静電気試験機の商品リストです

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